戦争からの復興や、度重なる災害被害。手先の器用さや、真面目な性格といった国民性。
さまざまな要因が重なって、日本の建設業界は世界トップクラスと言われるようになりました。
その技術力の高さは他国の模範になっているほどです。
そんな業界が今、かつてない逆風にさらされています。
あらゆる分野でIT化が進み、新しい産業が次々に立ち上がる時代において、人やお金が離れていっている。
「カッコいい仕事」というイメージからはかけ離れ、未来を担う若者からは見放されていっているのです。
そんな現状は腹立たしく、なにより、自らの不甲斐なさを感じています。
人やお金が離れていき、衰退していく。それは、建設業界ではあってはならないことです。流通を支える道路や橋。災害から国土を守る河川やダム。
その他のインフラ建設など、手掛ける工事はすべて「あったら便利なもの」ではなく「なければ社会が成り立たないもの」をつくっているからです。
つまり、我々の衰退は日本の衰退につながるのです。
岸本建設は、このような時代において何をやるべきなのかを常に考え、行動してまいります。まずは、日本の未来を担う若者から魅力を感じてもらうために、イメージを変えていきます。「着てみたい!」と思う作業着に改良したり、「働いてみたい!」と思う仕事や制度をつくったり、身近なところから考えれば、やるべきことは無数に見つかります。一つひとつ確実に、妥協せずに変えていき、業界のイメージ刷新に貢献していきます。
その上で、公共事業の重要性を理解してもらうために声を上げていきます。この国には災害復興にあたってつくられた建造物がたくさんありますが、もしそれらが災害を見越して事前につくられていれば、たくさんの命を救うことができたはず。しかし、災害が起きる前からそういった工事を行うとなると「税金の無駄使いだ」と言われてしまうのが日本の現状です。めったに災害が起きない国ならまだしも、ここは災害大国と言われる国です。備えのための工事がとても重要なのです。企業活動を通じて、そういった考えを浸透させていくことも、我々の役目だと考えています。
1943年(昭和18年)に『岸本組』として創業して以来、土木工事の専門業者として活動してきました。その方針は、多様化が叫ばれるこれからの時代も変わりません。他にも事業を展開してはどうか、と助言をいただいことはありましたが、国土を守るという役目は他の仕事を“つまみ食い”していては務まらないというのが岸本建設の考えです。だからこそ、これからも『生涯土木』を掲げ続け、ブレない思いを持って、愚直に取り組んでまいります。